今朝未明、イギリスの友人から教えて貰ったのですが、世界的に有名な旧ソ連科学アカデミーに所属するアレクサンドル ヒロポンスキー博士が、とうとうドラゴンを発見したそうです。残念ながら死骸だったそうですが、昆虫やネズミなどに食い荒らされることなく綺麗なミイラとして発見されたとのこと。その辺りに、このイキモノの持つ伝説とか神秘とか、そういったオーラを感じます。
私は辰年生まれなのですが、十二支の中でこの生き物だけが想像上の生き物だと言うことが永年、腑に落ちなかったのです。何故架空の生きものを、敢えて十二支に加える必要があるのか?まったく解りません。また、交流もままならない古の時代において世界的、同時多発的にドラゴン伝説が発生し、南極を除く5大陸すべてで認められていると言うことも、その生きものが実在していたコトを示すのではなかろうか?と思っていたのです。この写真でドラゴンの存在がはっきりし、非常にスッキリしたのですが、やっぱり、十二支は全て実在する生き物だったのですね。
というのは、エイプリールフールの冗談です。
このRed Dragonは、江本創さんというアーティストの作品です。この作家さんの「幻獣標本博物記」という書籍を本屋で観たときには、次の瞬間に迷わず購入。というツボの入り方でした。先ほど、この原稿を書くためにネットで検索してみたら「幻獣標本博物記」に収められている作品数をはるかに上回る数の作品がアップされていてびっくりしました。あとでゆっくり拝見することにします。
さて、エイプリルフールにピッタリな作品だなぁ、と思って自宅の書棚を覗いたのですが、どうも日本人に流れる“好みのDNA”に、この作品の持つテイストが合っているのではないだろうか?と思うに至りました。
少し前に、練馬区立美術館で観た野口哲哉さんの身の丈4寸のサムライたちを主題にした「武者分類図鑑」にも、作品への取り組みの姿勢が近似してるように思えます。南蛮渡来のシャネルのマークを家紋とした甲冑を身にまとった紗錬家(しゃねるけ)の武者像とか、もうそのチャーミングさったら、堪りません。
若しくは、少しトーンが異なりますがオートマタ作家のムットーニさんのシュールでファンタジーに溢れた、小さなキネトスコープ・オートマタ(自動人形からくり箱)の作品群にも同じ香りを感じてしまします。ちなみに、ムットーニさんの作品は弊社でお手伝いさせていただいた「世田谷文学館」で観ることが出来ます。
これらの作品の分母にあるのは何でしょう?”嘘とも現実ともつかない緻密な造形と作品に流れるコンテクスト”と言えるかもしれませんし、“日本ならではの「縮みの文化」的表現”だったりするかもしれません。もしくは、“ユーモアやウィットをベースにして観る人に想像力を誘発するしかけ”かもしれません。
まぁ、いずれにせよ。今日の(も?)このコラムの結論としては”想像力を誘うアートは素晴らしい”ということになるようです。