ピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌの「諸芸術とミューズたちの集う聖なる森」
先日まで渋谷のBUNKAMURA ザ・ミュージアムで開催されていたシャヴァンヌ展でも展示されていた名画です。ここに描かれているのはMuse ギリシア神話で文芸を中心とした芸術を司る女神たちが水辺に集うアルカディア(理想郷)です。
芸術を司る女神であるmuseというスペルを見ると、music(音楽)とかmuseum(美術館・博物館)の語源になっていることが容易に解ります。museumのもうひとつの語源と言われる古典時代の学堂であるムセイオンも、もともとはmuseを祀る神殿を意味するそうです。
そして前述した「諸芸術とミューズたちの集う聖なる森」には、建築、絵画、彫刻の3つの化身として描かれた女性がいて、9人の女神museがその周りに集っているのです。このことから、当時の芸術は、絵画や彫刻、音楽、建築、踊りや演劇、歴史や科学についても分け隔てが無かったことが伺えます。これは、言ってみれば理想的な教育の在り方のように思えるのは私だけでしょうか?
昨日の記事「理科離れと同じくらい、美術離れは問題だ!」を別の切り口で見てみると、美術や芸術というのは真に人間らしい” 知”であるということが言えるのではないでしょうか?