現代美術を見る座標軸、つまりルール。

村上龍さんの小説やエッセイがとっても好きで、著作のほとんどを読んでいます。一番最初に読んだのはデビュー作の「限りなく透明に近いブルー」でした。確か中学生の時に親戚から貰い受けた本だったのですが、中学生にはとっても刺激的で、思いきり想像力をたくましくしたものです。何故、親戚があの小説を純真無垢な紅顔の中学生に読ませようと企んだのか?はなはだ理解できないのですが。笑) そんな私も、今ではすっかり厚顔の中高年になってしまいました。

さて、閑話休題。

村上龍さんと、同じような名前のアーティストに村上隆さんという方がいるのですが、私はなかなか村上隆さんの作品の良さが解らないでおります。ただし、彼のアートに対する発言はなかなか興味深く、辛辣でありつつ的確なコメントであると捉えています。数多い村上隆さんの言葉のうち、私の琴線にかかったモノを幾つかプロットさせていただきます。

「構図」「圧力」「コンテクスト」「個性」。この四つが現代美術を見る座標軸、つまりルール。

芸術家には一般ビジネスマンと同じスキルも要求される。コミュニケーション力、システム思考力、チーム学習力の向上が成功の必要要件。

コンテクスト(文脈、脈略、背景、状況)があれば、天才に見せることができる。その発明が現代芸術。現代美術になる前の戦前、19世紀以前のコンテクストを理解していたほうがいい。つまり、歴史の重層化、コンテクストの串刺しを理解すること。

良い作品とは、一番目が「サプライズ」、二番目が「完成度」、三番目が「納得」。納得させるのは、「う~ん!」と少し考えさせて、「なるほど!」がベスト。わかりやすいコンテクストの説明、「物語」と言っていい。

非常に、というか、そのまま「芸術」とか「美術」を「デザイン」に置き換えることが可能だと思う次第でございます。

 

murakami